刑事裁判の資料(確定記録)・判決文を関係者以外の人が閲覧するには?

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刑事裁判の資料(確定記録)・判決文は、誰でも読むことができます。*1
ただし、興味本位で読みたい、という第三者はまず読めません。
どういうことなのか、経験談を基にここに記します。

閲覧が認められるケース

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「正当な理由」がある場合、検察庁で刑事確定記録・判決文を閲覧することができます。
例えば以下のような人たちです。

  • 事件の関係者
    被害者:損害賠償請求(民事訴訟準備)のために閲覧が可能
    弁護人:事件本人の別事件の弁護のために閲覧が可能
  • 弁護士:類似事件を担当している場合、調査・弁護準備のため閲覧が可能
  • 学生・研究者:法学的に意義のある事件の場合、学術研究目的でも例外的に閲覧が可能

閲覧が認められないケース

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刑事確定記録訴訟法の第4条2項には、閲覧が制限されるケースが記されています。
第三者の場合、この内のどれかを理由に門前払いをされる可能性が高いです。
(被告人の前科に関する個人情報となるため、扱いは慎重になります)

  1. 検察によって公開が禁止されている場合
  2. 判決後3年以上経っているとき
  3. 公の秩序又は善良の風俗を害する恐れがあるとき
  4. 犯人の改善及び更生を著しく妨げる恐れがあるとき
  5. 関係人の名誉又は生活の平穏を著しく害する恐れがあるとき
  6. 裁判員の個人情報を特定される恐れがあるとき

新聞で見たので読みたい、事件に関係はないが知人なので読みたい、途中まで傍聴していたが判決を聞き逃してしまった、のような軽い理由だと、まず断られてしまうのです。

判決文を見る方法

詳細な刑事記録でなく判決文だけ読みたい、という場合はネットや雑誌などでも情報を入手できる可能性があります。

刑事確定記録を見る方法

刑事裁判の場合、「第1審が行われた裁判所に対応する検察庁」の検察官に請求します。((刑事事件記録の閲覧・謄写(2017/04/20閲覧)))

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対応する検察庁とは、通常同じ県の検察庁です。(例:東京地方裁判所=東京検察庁)
下記のステップにて申込を行ってください。

  1. 第1審が行われた裁判所を調べる
    新聞やネットニュースなどから、第1審が行われた裁判所を調べます。
    傍聴に行った経験がある場合は、自分の傍聴メモから辿るとよいでしょう。
  2. 対応する検察庁を調べる
    東京地方裁判所の場合、東京地方検察庁が対応する検察庁です。
  3. 検察庁のHPにて、「各種窓口手続」などのページから閲覧担当の部署を確認する
    各都道府県で東京地方検察庁の場合は以下になります。
    担当:東京地方検察庁記録担当
  4. 代表電話にかけ、担当部署につないでもらう
    受付の人が出るので、担当部署につないでもらいましょう。
    東京地方検察庁の代表電話:03-3592-5611
  5. 担当の人に対して、閲覧の申請を行う
    申請には以下のような情報が必要となります。
    • 事件番号:平成/昭和○○年(X)YY号  ※必須
      ⇒事件番号がわからない場合、こちらをご参照ください。
      (民事訴訟記録に関する記事ですが、事件番号の調べ方は同じです)
    • 被告人名
    • 罪状
    • 判決日
    • 判決内容
    • 裁判所
    • 閲覧目的
      弁護士かどうか、関係者かどうかも聞かれます。
      第三者の場合、正当かつ具体的な閲覧目的を述べる必要があります。
  6. 該当検察庁で保管している事件の記録かどうか確かめる
    閲覧OKの場合⇒受付可能曜日・時間帯、持ち物の確認をして閲覧の予約を確定します。
    閲覧NGの場合⇒残念ですが、諦めましょう。
  7. 検察庁に行く
    【持ち物】
    • 身分証明書 ※必須
    • その他、閲覧権利があることを証明する書類など
  8. 刑事確定記録を閲覧する
    第三者の場合は謄本のコピーは不可です。
    閲覧中のメモは可能となっています。

まとめ

筆者は学術研究のために刑事確定記録を参照したいと申し込んだのですが、
「刑事確定訴訟記録法第4条の2項に抵触するので不可」と断られてしまいました。
10年前のブログでも同じ経験が記されており、事件に関係のない第三者が刑事裁判の確定記録を見るのは実質不可能なのだと思います。

司法の秘密主義ってひどくなってないか | きんようブログ|週刊金曜日 

もし見れた!という人がいたらどういうケースか教えていただきたいです…。

おまけQ: 拘置所で過ごした期間は刑期から引かれる?

・一つの起訴に応じて、最低勾留日数が定められている
・規定の勾留日数を超える分は、未決勾留日数として全体の刑期から引かれる
・最低勾留日数は初起訴の場合約30日、追起訴の場合約10日
未決勾留日数は、およそ以下の式で算出できる

実際の勾留日数(起訴~保釈までの期間)ー定められた最低勾留日数=未決勾留日数

実際の勾留日数が60日、公判の回数が3回だとすると

60-{30+10×(3(公判の回数)-1)} = 10日 となる。
((未決勾留日数について | 逮捕・示談に強い東京の刑事事件弁護士)
・刑期から引かれる場合、「未決勾留日数中○○日を算入する」と判決文に記される
・判決文を読むには、第1審が行われた裁判所に対応する検察庁に行く必要がある
・判決文を読めるのは、正当な理由を持つ人のみ(被害者、弁護士など)

拘置所で過ごした全期間が刑期から引かれるのではなく、あくまで「勾留しすぎた分」が刑期から引かれるんですね。
判決文を読めない場合はなんとなくでしか想像できませんが、複数回起訴されている場合は実際の刑期の期間から一定期間マイナスされると考えてよいでしょう。
未決勾留日数は、執行猶予つきの懲役刑でも参入されることがあります。
(参考:

執行猶予つきの懲役刑に未決勾留日数は算入されるか | 弁護士弓田竜の刑事事件ブログ)